KATCATの巣

ふしあわせという名の猫がいる-だから私はいつもひとりぼっちじゃない

映画『天気の子』感想

 職場が胸糞悪い状況である。自分が担当の仕事が一段落ついた。という状況で、仕事行きたくないし今日一日ぐらい休んでも悪影響はないはずだし休んじゃえと言うわけです。

 

 そのような理由で仕事を休んで『天気の子』を観てきました。

 実は新海作品を見るのは初めてです。この作品も見るつもりはありませんでした。だって「恋愛作品に興味が持てない」人間なので、今作品も今までの作品も読んだ感想や評判を聞く限りでは絶対に僕に合わなさそうとしか判断できませんでしたから。

 ですがツイッタの短文ですが気になる感想が昨晩TLに流れてきた為にちょっとだけ興味を持ったところに、今日は仕事を休むことにしたので見に行くことにしたのです。

 

 で、その感想ですが「僕には合わないけど、楽しめた」です。

 他作品を出しながら感想を書いた方が個人的にはしっくりくるので、炎上しやすい方法だと思うのですが僕レベルが炎上するとは思えないのでそうしていこうかと。

 

 まず序盤は帆高の行動に全く共感を覚えず、イライラするだけだったので映画を見にしたのを後悔しました。なぜ帆高の行動にイライラするのかもいまいち理解できないわけですよ。

 行動原理は理解できるわけです。『小さな恋のメロディ』でトロッコに乗った二人のように帆高はフェリーに乗ったわけだ。なので行動原理は昔の僕だったら共感しかないはずなのに、イライラしてしまう。

 イライラする理由はやはり分からないのですが、一番説明しやすいのは「あの頃に絶対なりたくない大人になってしまったから」だと思います。絶対なりたくない大人になったから、あの頃なら共感できたはずの行動に共感を覚えずイライラしてしまうという説明ですよ。

 そのような説明が頭に浮かんだ時に、見る前に心配したのとは別の意味で僕に向いていない作品だと後悔してしまったわけです。

 そしてですね。今日の僕自身の行動を振り返ると、職場が胸糞悪い状況で居心地が悪いのでそれから逃げるために車に乗って映画館に来ているわけですよ。帆高と同じような行動原理なわけですよ。しかしその理由や覚悟はずっとショボい状態なわけですよ。

 それに気づいた時に、帆高にイライラしている自分に憐れみの笑いを上げたくなりましたよ。映画館ですから我慢しましたけど。

 

 そのように観たことを後悔していましたが、話が進むにつれて僕でも興味が持てる話になってきました。それは少年少女が自分の物理的・精神的な居場所や役割を見つけ出す物語です。

 帆高は島で居心地が悪いと感じ居場所がないと思いフェリーに乗った。その後孤独な生活を送るが、雑誌編集事務所という物理的な居場所やそこのスタッフや天野家との交流で精神的な居場所を得ていく物語。

 陽菜は弟との居場所を守るために頑張っているが、自分の社会的な立場から守れずにいた。それを「晴れ女」のサービスで居場所を守ることを、そして自分の力が皆の笑顔を作ることが出来るという役割を手に入れるわけです。

 えぇ、何者になるのか分からない少年少女が頑張る話は大好きです。何物にもなれなかった者が何物でもないなかで生活している話も大好きですが。

 それはともかくとしてだ。他作品的には『魔女の宅急便』でキキが宅急便の仕事を頑張っていく感じですかね。ちょっと違うことは分かりますけど、そんな方向性の楽しみ方が出来ました。

 

 そして最後は『イリヤの空UFOの夏』です。大好物です。最後いろいろ賛否両論な気がしますが、僕は賛です。だって世界なんて、どうせもともと狂ってんだから。

 

 という風に最初は観に来た事を後悔していたのですが、段々楽しめました。しかしそれでも最初に書いた通り「僕には合わない」という感想が強いわけです。上手く言えないけど、「なるほど、僕向けの作品ではないよな」という感覚に襲われます。

 しかしそれでも最後には楽しめたと思えた要素には映像の良さやシーンの良さがありますた。今回はストーリーメインの感想でしたが、陽菜が雨を晴れにする場面や帆高が線路を廃ビルに向かって走るシーンは素敵だと思いました。

 

 実は映画館で映画を見るのはおそらく一年以上振りなのです。なので「僕には合わないけど、楽しめた」という中途半端な感想ですが、それでも映画館で見る映画は素晴らしいなと思えた作品です。

 落としたり上げたりまた落としたり上手く伝わらない感想だとは自分でも思いますが、人の心は複雑怪奇。僕の感想はただひねくれているだけかもしれませんが、それでもこれだけの長文を書きたくなる映画だった事は確かです。